脂漏性皮膚炎を発症したら試してみたい市販薬とその理由
脂漏性皮膚炎の症状といえば、ベタベタした皮膚、赤み、大きなフケのかたまり、はがれかけの皮膚など見た目も良くない症状が多く見られます。
本当なら病院を受診して専門のドクターに診断してもらい、症状に合った医療用医薬品を処方してもらうのが最も早く治す方法です。
しかし、脂漏性皮膚炎の症状が軽度な時は、大きなフケがポロポロ落ちてくる程度、少し症状が悪化しても頭皮の場合は見えにくい個所が赤くなるくらいです。
その位の症状では時間をさいてまで病院を受診しようと考える方が非常に少ないのが現実です。
時間を割いてまで病院に行ったのに、自分で調べた結果と同じ診断ならあまり病院を受診した意味が無いのではと考えてしまいます。
実際はそんなことは無く、たとえ自分が調べた結果と同じ診断でも病院で処方される薬は症状に特化した薬なのでその効果も目に見えて分かります。
病院を受診する意味は、ドクターの診断だけではなく、ドクターが処方してくれるお薬が非常に重要です。
病院で脂漏性皮膚炎と処方され、その症状が悪い様だと脂漏性皮膚炎に効果のある抗真菌薬と赤みなどの炎症に効果を発揮するステロイドが処方されます。
ステロイド系は病院での処方しか手に入らないものなので諦めるしかありませんが、抗真菌薬のニゾラールというお薬が市販薬としてドラッグストや薬局で手に入れる事が出来るのであれば、是非とも病院に時間を割く前に試してみたいものですね。
今回はニゾラールに変わる市販薬をご紹介します。
市販薬が効果を発揮してくれさえすれば、脂漏性皮膚炎の症状を軽度なものに変えてくれるかもしれませんよ。
脂漏性皮膚炎は市販薬でも処方薬の様な期待ができるの?
脂漏性皮膚炎の症状が現れたら、すぐにでも病院を受診して正確な診断と治療方法で治すことが最も良いとされています。
しかしながら、症状の悪化による炎症の拡大や、ひどいかゆみが止まらないなど、深刻な状態にならないと病院を受診しない方が多いのが実際の状態です。
まずは、脂漏性皮膚炎とはどんな病気なのかを簡単に説明します。
脂漏性皮膚炎の代表的な症状っていったいどんなの?
脂漏性皮膚炎になると、髪の毛がベタベタしたり、頭皮をさわると指がテカテカになるほど皮脂が多くなります。
また、髪の毛の生え際に、大きな塊の様なフケが出てきます。
皮脂が多く分泌されることにより、毛穴に詰まった皮脂が酸化して、イヤなニオイを発する事もあります。
さらに症状が悪化すると、赤みが広がり、炎症やかゆみなどを起こすことがあります。
赤みが広がると、かゆみがガマンできなくなったり、頭皮にかさぶたの様なものが目立ってきます。
炎症がひどくなると、シャンプーや整髪料などがしみる事もあり、痛みが出てくることもあると言われています。
まれに、赤く炎症を起こした場所の髪の毛が抜ける方も居ますので、育毛剤などを使用して炎症を悪化させてしまう事もあります。
脂漏性皮膚炎は頭皮になりやすい、その理由って何?
頭皮の皮脂が過剰に分泌されることで、皮脂をエサとしているマラセチア菌という真菌が異常に繁殖する事で、皮脂を多く分泌する頭皮や顔に炎症を起こしてしまいます。
皮脂の分泌を多くしているのが、男性ホルモンである事から、脂漏性皮膚炎の症状が出やすいのは男性と言われています。
また、女性でも生活習慣の乱れ、過度なストレスからホルモンバランスが崩れ、皮脂の分泌が過剰になると言われていてるので、男性だけでなく女性も発症します。
特に皮脂の分泌量が過剰になる事が原因とされていますので、肌に合わないシャンプーを使用したり、間違った洗髪方法も原因の一つと言われています。
脂漏性皮膚炎で皮膚科を受診する事でもらえるニゾラールの役割
脂漏性皮膚炎の原因がマラセチア菌という真菌の異常繁殖によるものであれば、その菌を除菌すれば、症状は改善するはずです。
この菌を除菌してくれる効果がある抗真菌薬が、『ニゾラール』という医薬品で、病院で医師に診察を受け、処方箋を書いてもらう事で初めて薬局でもらう事のできる薬です。
ニゾラールの主成分は『ケトコナゾール』というもので、後発品(ジェネリック医薬品)もあります。
ニゾラールには、ローションとクリームが存在し、症状が出ている箇所によって使い分ける事が出来ます。
ローションとクリームの使い分けですが、クリームはどうしても塗った場所がベタつき、ローションはすぐ浸透するのでベタつきにくいという感触です。
また、クリームは患部に傷がありただれている部分などに使い、ローションは皮膚が角化して厚みがあるような部分に使います。
これをもとに頭皮にはどちらが良いのか、と言う事になると、髪の毛の多い頭皮にはベタつくクリームは合わず、ローションの様なベタつきなく浸透力の有るものが良いでしょう。
ちなみに、ニゾラールには抗真菌の効果はあっても、炎症を和らげる効果はありません。
炎症がひどくなり、かゆみも治まらない時は、抗炎症薬のステロイドが使われることもあります。
脂漏性皮膚炎にニゾラールは期待できる、その他の症状への効果は
ニゾラールの主成分は『ケトコナゾール』という抗真菌薬の一種です。
真菌というのはカビの仲間で、ケトコナゾールはこの真菌に作用して、皮脂の過剰分泌によって異常繁殖してしまった菌を抑えてくれる働きがあります。
この様に、菌が原因として発症する病気には、ニゾラールの効果が期待できると言えます。
脂漏性皮膚炎以外の症状には以下の様なものがあります。
①.水虫
水虫は白癬菌というカビの一種が原因の病気です。
水虫はご存じの通り、感染する病気で、感染する白癬菌の種類によっては、皮膚の症状にさまざま状態が現れます。
白癬菌は真菌の一種なので、抗真菌薬のニゾラールはその効果を期待する事が出来ます。
②.カンジダ症
カンジダは人間であればだれでも普段から持っている菌で、通常は全く害のない菌です。
カンジダは、体の免疫力が低下した際に異常繁殖し、炎症を起こします。
カビの一種なので、カンジダも抗真菌薬のニゾラールに効果の期待が持てます。
③.癜風菌
癜風菌(でんぷうきん)は、人間であればだれでも普段から持っている菌で、通常は全く害のない菌です。
これが何らかの理由で異常繁殖した時に、皮膚にシミの様なものが広がります。
癜風金も真菌の一種なので、抗真菌薬のニゾラールはその効果が期待できると言えます。
ニゾラールを使う時に注意をするべき事とは
ニゾラールは抗真菌薬ですが、開封後や使用する時には、真菌や雑菌が入り込まない様にしなければなりません。
使いかけのものの蓋をしっかり締めていなかったり、長期間保存して再利用する事もおススメできません。
抗真菌薬とは言っても、容器の中に入って増殖しようとする菌を除菌するだけのスピードはありません。
出来る限りニゾラールの容器に真菌や雑菌が入り込まない様に注意して、清潔に保存する様にしましょう。
ニゾラールは市販薬として販売され誰でも購入できるのか?
ニゾラールは医療用の医薬品で、主成分であるケトコナゾールを含んだものは、スーパーやドラッグストアなどで市販薬としては販売されていません。
ニゾラールを手に入れるには、病院を受診し、医師に処方箋を書いてもらう事です、そんなニゾラールと同じ成分のものは市販薬では販売されていませんが、抗真菌薬のイミダゾール系の塗り薬は市販薬として販売されており、その代わりになるかもしれませんので、ご紹介しておきます。
抗真菌薬 | 市販薬名称 |
---|---|
ミコナゾール | 【第2類医薬品】ダマリンL液 20ml 大正製薬 |
ミコナゾール | 【第2類医薬品】ダマリンS液 15ml 大正製薬 |
イソコナゾール | 【第1類医薬品】メンソレータム フレディCC クリーム 10g |
オキシコナゾール | 【第2類医薬品】タムチンキパウダーインジェル 15g |
クロトリマゾール | 【第1類医薬品】エンペシドL 6錠 |
クロトリマゾール | 【第2類医薬品】ピロエースW液 25mL |
ラノコナゾール | 【第2類医薬品】ピロエースEXクリーム 15g |
ラノコナゾール | 【第2類医薬品】ピロエースZ液 15ml |
ビホナゾール | 【第2類医薬品】キョータップLXクリーム 30g |
抗真菌薬の中には第1類医薬品が含まれています。
第1類医薬品は、ネット販売が可能になっていますが、ネットで購入しようとした際に『お薬の説明→お薬使用に関する質問票→薬剤師による適正使用の確認』までが完了して購入できます。
少し通常の購入の流れよりステップが多いのですが、現在の使用状況チェックに問題なければネット購入も可能なので便利ですね。
最後に
脂漏性皮膚炎の症状が現れてしまったら病院に行くべきかどうかを決めて、行くと決めたらすぐにでも受診してください。
イヤ、やっぱり行かないと決めたら、何かしらの手を打ってください。放置は絶対に止めましょう。
放置の先にあるのは悪化の二文字のみですので、病院またはセルフケアのどちらかを選択するようにしましょう。
病院を受診したらもらえるのが医療用医薬品、このお薬は自己判断で止めない様にする事が重要です。
病院を受診しないのであれば、シャンプーを変えてみる、市販薬で抗真菌作用があるお薬を試してみる事が重要です。
脂漏性皮膚炎が軽症な時と、見えにくい頭皮にある時は目立たないので何も手当をしない方が多いのですが、少しでも脂漏性皮膚炎の症状が見られた時は、必ず何かの対処を行い、早めの治療を心がけて下さい。
何でも早め早めの行動で、治療、改善に期待の持てる対応を行う様にしましょう。